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広報誌に記事が掲載されました。滋賀県甲賀市広報誌・こうか「本当は謎解き体験を書きたかったビブリオバトル」

2017年11月01日

広報誌に記事が掲載されました。滋賀県甲賀市広報誌・こうか「本当は謎解き体験を書きたかったビブリオバトル」

 
甲賀市の広報誌「こうか」にビブリオバトルに関する記事を書きました。
実は、甲賀市の今年度の「まちかど特派員」になっていて、広報誌の2回の特派員記事・1回目が回ってきました。掲載は11月1日号で、市の配布や甲賀市のwebページでPDFが見られます。

こういうことは初めてなので、何をとりあげるか?に始まって、記事の構成、最後の校正、校了まで広報課の担当者さんには大変お世話になりました。
特に、長文の抜粋、文書表現の修正など私にはできない部分で助けていただき感謝しかありません。

ただ興味があるから...ということで、取り上げた訳ではないビブリオバトル。


さて、このビブリオバトルですが、なぜこれを取り上げたかというと、
書評合戦という知的なバトルゲームという第一印象に惹かれたのは確かなのですが、これを調べていくうちにその奥にこんなことがかくされていたのか!という謎解きのような体験をしたからです。
普通なら、映画や小説で疑似体験するものを、ネットで調べ次々と判明する謎解き?を実体験したのです。
そんな体験を誌面で少し再現できないかと。

しかし、広報誌の紙面スペースの都合で文字数を大幅にカットしました。
そのせいで、本当に書きたいことが簡素になったり、謎解きの感動をちょっとでも再現したかったという部分がほとんど載せられなかったりになってしまったので、ここに長めの文章を載せておきます。
こちらは、表現を修正してもらったりしていないのでヘンな文章はそのままですが、少しでも掲載文を補足できればというつもりです。
広報誌に載せた文章とは少し意味が違ってくるのですが、どちらかが嘘というわけではありません。

ではいきます^^。
 
   図書館で書評合戦!第4回ビブリオバトル in Koka
甲賀市で知的な文化系対戦イベント開催
ビブリオバトルのほんとうの意味


ビブリオバトルとは?


広報誌に記事が掲載されました。滋賀県甲賀市広報誌・こうか「本当は謎解き体験を書きたかったビブリオバトル」

2017年8月20日、水口図書館にて第4回「ビブリオバトル in Koka」が開催されました。
「ビブリオバトル」ご存知でしょうか?私は知らなかったのですが、ビブリオ(本)+バトル(対戦)という知的なゲームをイメージさせるタイトルを見て興味を持ち、少しネットで調べてみました。

知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト
http://www.bibliobattle.jp/

公式サイトによると...
「ビブリオバトル」とは、数人が自分が紹介したい本を持ち寄って本の良さをプレゼンし、その後ディスカッションを経て、どの本が読みたくなったか?を投票、1番の本=チャンプ本を決める。
そんな知的な対戦ゲームだそうです。


ビブリオバトル in Koka 当日の様子


開催当日は、本の発表者・バトラー8人、聴講者20人程が参加。
1人5分で本を紹介して、その後全員で3分のディスカッション。これを繰り返し、最後に一番読みたい本を投票で決めるという順序で進められ、チャンプ本には男子高校生が紹介した「まっくらやみで見えたもの/アンナ・リンジー著」が選ばれて終了しました。
ディスカッションには聴講者も参加してそれぞれ短い時間ながら作品を深堀りする、まさに知的対戦ゲームが繰り広げられました。

広報誌に記事が掲載されました。滋賀県甲賀市広報誌・こうか「本当は謎解き体験を書きたかったビブリオバトル」
少し緊張感のある雰囲気の中、書評バトルが始まった。発表者は高校生から老若男女8人。それぞれの切り口、話し方で書評を展開。
人前で話すという少し特殊な状況で自分発信で物事を伝える作業は、その人の素の部分がチラチラ顔を出して興味深い。プレゼンの慣れ不慣れはあるが、作品への思い・熱量はそれぞれの形で表れる。

広報誌に記事が掲載されました。滋賀県甲賀市広報誌・こうか「本当は謎解き体験を書きたかったビブリオバトル」
今回のチャンプは高校生バトラー、TEDばりのプレゼンを見せていた。

広報誌に記事が掲載されました。滋賀県甲賀市広報誌・こうか「本当は謎解き体験を書きたかったビブリオバトル」
チャンプ本「まっくらやみで見えたもの/アンナ・リンジー著」は、光アレルギーである著者の少し奇妙な恋愛が美しく描かれる。苦労の多い毎日を送る描写が続くが、時々ある体調好転の一節を読むと救われたという。

「友だち幻想/菅野仁 著」のプレゼンでは、友だち関係に悩む現代の分析から、その解決をどう読み解くかなどにディスカッションが移った。

SF作品に関する「くだらない」疑問をあえて真面目に考察するという「空想化学読本/柳田理科雄 著」のプレゼンでは、いろいろな例を挙げて興味をそそりディスカッションでも会場を盛り上げた。


ビブリオバトルの本当の目的「コミュニケーション」


書評を聞いているだけでも楽しいビブリオバトルですが、ビブリオバトル提唱者のwebサイトを拝見すると、本当の意味や目的に驚かされます。(提唱者はコミュニケーションの研究をしている学者さんです)

ビブリオバトルはいくつかの効果を目論んで作られたゲームのようです。
主なものを挙げると...
・局所的および広域的に書籍情報を共有できる。
・コミュニケーション能力開発支援機能。
・良書探索機能(検索エンジン)。
・コミュニティ生成機能。

わかりやすく言うと、
・膨大な書籍の中から良書をピックアップしてみんなで共有できるところ。
・発表するために良書を本気で探す。
・他人に本の良さを伝えるためにプレゼンテーション能力を駆使し磨かれることと、その場で評価が出ることでフィードバックが得やすい。

しかし、本当の目的はここからです。
「コミュニティ生成機能」というのは、「本を通してその人を知ることができる」ということ。
本を読んだ発表者がどう解釈したかで、その人をより深く知ることができる。
これによって周囲の人間は発表者の人柄を共有でき、コミュニケーションのきっかけになったり、人の繋がりを活性化することができるというのです。

さらに、発表が苦手=コミュニケーションが不得意な人の為にルールが設けられています。
・ここで決めるのは「どの本がチャンプか?」ということで「発表者・バトラー」ではないということ。なので負けても本の良し悪しの評価ということで本人のダメージが少ない。
・コミュニケーション活性化に邪魔になるような「無理をさせる」「ディスる」などの要素はルールで排除されています。
詳しいルール見てもらえば、いかにコミュニケーションが苦手な人に配慮しているかがわかります。


コミュニケーションが苦手なひとを見守る温かさ。


一見、対戦バトルという遊びのようですが、調べていくとそこにはコミュニケーションの活性化という狙いが隠されていました。
そして、コミュニケーションが苦手な人に、人と関わるきっかけをベストな環境を用意して応援・後押ししているような温かい目を感じます。

このゲームはどこでも、少人数でも簡単にできます。職場やサークルなどお互いの理解を深めるきっかけとして実施してみるのもいいかもしれません。
ママさん世代には、絵本のバトルもいいのではないでしょうか。
もちろん子供さんでも。


最後に...
記事に書いたことは、提唱者の考えとは違っているところが多くあるかもしれません。
でもこれが私の受け取った素直な感想です。
コミュニケーションとはどういうことか?など、書ききれないことがたくさんあります。私の読み違いも含めて、提唱者のwebサイトをチェックしていただければと思います。

◾参考
知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト
http://www.bibliobattle.jp/

◾この日のチャンプ本
優勝:まっくらで見えたもの/アンナ・リンジー 著
次点:友だち幻想/菅野仁 著
 


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Posted snapie │ 2017年11月01日ブログ